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野菜の残渣処理方法と冬支度

季節も変わり、寒い冬が近づいてきましたね。”ちあきファーム”の農園では、秋冬野菜の収穫も終盤に差し掛かってきた所です。

皆さまの菜園はいかがでしょうか?

今回、”ちあきファーム”では、畑の冬支度という事で野菜の残渣の処理方法について僕たちが行なった方法を5ステップでご紹介していこうと思います。

残渣の処理方法に困った?残渣をどうにか利用できないか?そんな事をお考えの方は是非最後までご覧ください

野菜の残渣とは?

まずは「残渣って何?」そんな方の為に残渣について簡単にご説明しておきたいと思います。

畑で色々な野菜を作っていると、作物のつるや茎、食べられない葉など、どうしても処理しなくては行けない廃棄物が出てしまいます。

その野菜の廃棄物を”残渣”と言います。処分するだけでなく、時には堆肥として利用する事も可能なので、後ほど実際に作業をしながらご紹介していきたいと思います♫

野菜の残渣

ちなみに今回、農園で片付けていく残渣の種類は全部で4種類です。

収穫後にでた白菜の外葉やブロッコリー、カリフワラーの葉や茎、下葉かき作業で出た芽キャベツの葉を残渣物として処理していこうと思います。

残渣の処理方法

残渣処理を行なっていく前に残渣の処理方法についていくつかご紹介していきたいと思います。

可燃ゴミとして処分する

野菜は可燃ゴミ

生鮮食品にあたる野菜は全て「生ごみ」扱いとなります。残渣として畑に残ってしまった野菜は可燃ゴミとして処分することが可能です

畑で野焼きをする

野焼き

野焼き(野外焼却)は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により原則禁止れています。ただし、例外として農業者が農地管理又は害虫駆除のために行う農作物残渣の焼却は許されています。

sdgs13_気候変動に具体的な対策を

しかし、ここまであげてきた方法による処分は地球温暖化の原因にもなる(CO2)を排出してしまう方法なので、あまり推奨できません。

特に野焼きは、近隣住民の迷惑にもなりかねないので、個人的には禁止するべきだと思っています。

でわ一体どうやって残渣を処分したら良いのでしょうか…

畑の堆肥として利用する

野菜の残渣を堆肥

野菜の残渣が堆肥になるの?

初めて知った時はわたし達も驚きましたが、野菜の葉や茎などを残渣物として土に還してあげる事で、野菜の残渣が堆肥として活用する事が可能なのです。

循環型農法を目指す我々としてもありがたい方法ですし、肥料高騰などが問題視される昨今では、肥料節約にも繋がるという事で早速試してみました

野菜の残渣を堆肥にして土作り

残渣処理_溝を作る

① 土を耕し溝を作る

まずは元々、畝があった場所に30cm程度の溝を作っていきました。

残渣を鋤き込むエリアではナスやオクラ、ミニトマトを栽培していた跡地になります。撤収から2ヶ月近く放置していたエリアなので、土はカッチカチ…

溝を作る前に、土の表面30cm程度をトラクターで耕してあります。

家庭菜園で作業される方は、三本鍬やスコップなどを使って、土をほぐしてあげると良いですね

② ぼかし肥料を敷く

残渣処理方法_ステップ2 のコピー

ステップ2では、先ほどスコップを使って掘った溝にぼかし肥料を敷いていきます。

一般的には米ぬかを仕様するケースが多いようですが、今回は僕たちが作っている「乳酸菌もみ殻ぼかし」を使用して検証していきます。

米ぬかを利用する理由は、発酵を促進したり、土の殺菌などに効果的だからと言われています。

今回使用した乳酸菌もみ殻ぼかしは、米ぬかともみ殻を使って、発酵完熟させたぼかし肥料になるので効果を期待しています。

③ 野菜の残渣を敷く

残渣処理方法_ステップ3

ステップ3では、野菜の残渣を土へ還していきましょう

分解を促進する方法は、茎や根は細かく砕いてから土に鋤きこむとより、残渣の分解が早まり良いとされています。

また、残渣を太陽に当てておく事で土に還した際の分解は早まるので収穫後や栽培管理で出た野菜の葉や茎などは日当たりの良い場所にまとめて置くのがお勧めです。

④ 野菜とぼかし肥料を攪拌

残渣処理方法_ステップ4

もう少しで完了です。ステップ4では、ステップ2と3で敷いた、ぼかし肥料と残渣を混ぜるイメージで攪拌します。

今回はスコップを使って残渣を細かく刻みながら、ぼかし肥料と絡めていきました。こうする事で微生物のえさとなる残渣が分解されやすくなり発酵を促します。

⑤ 掘り返した土を戻して完成

最後にステップ1で掘り出した土を溝に戻して完成です。

こちらの畑では来年の春に向けて更に土作りを行なっていきますので、そちらの最新情報も記事を通じてお知らせしていこうと思っています。

残渣で土づくりの注意点

ここまで畑で収穫した野菜の残渣を使って土作りをご紹介してきました。

残渣を緑肥にしたり、どうにか活用出来ないか?そう考える人は少なくないはずですが、注意も必要です。

残渣を緑肥として使用する場合、イネ科の作物やマメ科の残渣であれば比較的問題はありませんが、ナス科はやめた方が良いと言われています。

日頃お世話になっている先輩農家さんが「ナス科の野菜は畑に残さない方がいい」と言うほどです。

1番の理由は病気です。ナス科の野菜は病気に弱く、葉や茎に病原菌が残っている可能性が高いので土に還すのはやめておこうといった所です。

“ちあきファーム”でもナスとミニトマトの葉や茎はゴミ袋に入れて処分しました。

ナス科を代表する野菜と言えば、ナスを始め、トマトや唐辛子、ししとうやじゃがいもが有名どころです。

ナス科に限らず病気が出た野菜を土へ戻すのはリスクがありますので注意しましょう。

まとめ

残渣処理方法_まとめ

いかがだったでしょうか?

ここまで畑に残った野菜を活用した土づくりをテーマにやって来ましたが、誰かの参考になっていれば幸いです。

今回、僕たちが行った残渣処理方法では「乳酸菌もみ殻ぼかし」を使い、上手に発酵して好機質な微生物を繁殖させる事が出来るのか?といった検証を行なっております。

米ぬかをぼかしに変えただけだろ?って話なんですが、より良い土づくりが出来るのではないか?と期待を込めております。

また状況など、春の野菜作りを通じてお伝え出来ればと思っておりますので、今後も楽しみにしていただけたら嬉しいです。

今回も最後までご視聴いただきありがとうございました。でわまた!

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